金型用語事典|株式会社猩々テクノ
金型用語事典 Mold Dictionary
インデックス
金型の技術は日々進化しており、その内容を理解するためには技術の背景を知る必要があります。この金型用語辞典では猩々テクノに関連するフィールドの言葉をいくつかピックアップしました。ホームページの内容を理解する一助となれば幸いです。
あ・か・さ行
・エンプラ(エンジニアリング・プラスチック)
主に高性能の求められる工業用部品などに使われるプラスチック。金属代替用プラスチックとして開発された。強度、耐衝撃性、耐熱性、硬度劣化性などに優れている。PA、POM、PC、PBT、変性PPEが五大エンプラと呼ばれ工業用として多く用いられている。耐熱温度は100℃以上で、強度500kgf/㎡未満・曲げ弾性率24000kg/㎡未満。
・内スライド
金型の機構において、製品の内径側に駒を動かすことにより、内径ネジやカム溝や穴などのアンダーカット形状を成形品で2次加工無しに製作することができる金型構造。 コラプシブルコアとも言う。弊社では全周円筒物が多い。
・回転抜き
金型の機構において円筒状の製品の内径にあるネジやリード溝を、駒を回転させて抜く金型構造。
・画像測定器
CCDカメラが捕らえた映像をデータ処理して、金型と製品の寸法を測定する。フォーカス機能を使用して、Z軸方向も測定できる。
・金型
材料の塑性の性質を利用して、材料を成形加工して製品を得るための、主として金属材料を用いて作った型を総称します。
例えば自動車は、ボディは金属板をプレス金型によって成形加工し、バンパーやダッシュボードはプラスチック材料を金型によって射出成形することで出来上がります。タイヤはゴム金型、エンジンはアルミ鋳造金型を使用します。このように金属、プラスチック、ゴム、ガラス等の素材を、それぞれ目的とする製品の成形加工用に使用されるものが金型で、金型の品質如何が製品の良否を決定づけるものです。自動車、電子・電気機器、精密機器、医療機器、建築部材、日用雑貨に至るまで、大量生産をするめには無くてはならない道具になります。従って、金型は製品の生みの親などと言われています。
・鏡筒
デジタルカメラや一眼レフ交換レンズなどの光学製品において、レンズを保持・駆動する円筒状の部品の事。鏡胴・鏡枠とも言う。
・高硬度材
熱処理により硬度アップした鋼材の事。弊社ではHRC50以上を指す。
・3次元測定器
プローブと呼ばれるルビーやセラミックの球で、製品を点測定、もしくは線測定をして得られた三次元の座標値をパソコンで計算処理をして、さまざまな測定を実施する。
・冶具(じぐ・JIG)
弊社の加工工程においては、加工機へのワークセットを簡略化し作業効率を上げ、かつ高精度を出すための道具の事。
・射出成形
軟化する温度に加熱したプラスチックを、射出圧を加えて金型に押込み、型に充填して成形する方法。
・真円度測定器
円筒形の真円度・同軸度・円筒度・同心度・平面度を測定する。
・スーパーエンプラ(スーパー・エンジニアリング・プラスチック)
金属代替用プラスチックとして開発された。PPS、PAR、PEI、PSF、PES、PEK、PEEK、PI、PAIなどを、スーパーエンプラと呼んでいる。耐熱温度は150℃以上。エンプラより特に耐熱性が高い。
・塑性
個体の性質のひとつ。個体に、ある限界以上の力を加えると連続的に変形し、力を除いても変形したままで元に戻らない性質。弾性と反対の意味。
・3Dモデル
3次元CG(3次元コンピュータ・グラフィックス)を使い作成した形状。各種解析・強度計算ができるメリットがある。
た・な・は行
・パラソリッドデータ
体積を持った3次元コンピュータ・グラフィックスの、データ形式一つ。3次元でオブジェクト(物体)を表現するときに使われる。
開発元:ユニグラフィックス・ソリューションズ社(米)
・プリハードン鋼
中程度に焼入れ処理した鋼材で射出成形の金型用鋼材などとして用いられます。一般鋼材の場合、金型の耐久性を上げるために切削後焼入れし、研磨仕上げを行いますが、それほど性能を必要としない場合にプリハードン鋼を使用することが多くなります。
・放電(ほうでんEDM Electrical Discharge Machining)
加工する形状の逆の形状に銅で削り出した電極マスターと加工物との間に短い周期で繰り返されるアーク放電によって加工物表面を溶かして蒸発させることにより一部を除去する機械加工方法です。主として従来の機械加工技術では加工ができなかった硬い金属に適用されます。
ま・や・ら・わ行
・マシニングセンター(MC Machining Center)
多数の切削工具を格納し、自動工具交換装置(ATC Automatic Tool Changer)を持ち、フライス加工・穴あけ・ねじ立て等の異種の加工を、コンピュータ数値制御(CNC)によって1台で自動的に行うことができる工作機械です。
・ランナー
射出成形用金型で高温の溶融材料を、キャビティへ導くための通路。
・流動解析
金型内部での樹脂の流れを解析し、充填パターンや反り変形状態を可視化することで成形時に起こる様々な問題を予測できます。
・ワイヤーカット
走行するワイヤ電極(黄銅線)と加工物の間で放電させ、糸ノコのように複雑な輪郭形状のものを切り抜く加工方法。加工液は一般にイオン交換樹脂を通した純水、もしくは油を使用する。弊社は通常直径0.2のワイヤ電極を使用。
A〜Z行
・CCD
電荷結合素子 (Charge Coupled Device) の略。ビデオカメラ、デジタルカメラなどに広く使用されている半導体電子部品の事。
・DNC(ダイレクト・ヌメリカル<数値制御>コントロール・システム)
各種NC工作機械の生産性アップ、あるいはそれら生産設備を運営するマンパワーをサポートしてゆくために開発された、工場内支援システム。従来、紙テープやフロッピーディスクで工作機械に送られていたCAD/CAMデータを、コンピュータを使って直接オンラインで工作機械の制御装置に高速転送する。異なるメーカ、機種も制御できる。メリットとしてNC工作機械の生産性アップ、長時間のスケジュール運転、無人化運転がある。
・DR(デザインレビュー)
当社のDRは、設計者の金型構想が固まってきた段階で加工・仕上げ・組立の各担当者が集まって行います。内容は、お客様の要求されている製品の機能と精度を理解た上で、金型の加工性・成形性・製品の寸法安定性を考慮した金型構想が適正であるかを検討し、材料手配の可否判断と加工方針も検討します。